長谷川光志
予断はキンモツ

決めつけや予断を持つのは良くない。
たとえば映画
《虹の女神〜Rainbow Song》
というタイトルからあなたはどんな映画を想像するか。
俺ならこう。パッケージはきっとフレッシュなアイドルがヒロイン役でセーラー服かなにか着ているな。相手役は新進気鋭の実力派イケメン俳優がヒロインをちょうど引き立てるくらいの地味目な衣装を着て、キスミ◯トのCMばりの爽やかな笑顔をたたえている。二人は肩を寄せ合ったりしているはずだ。
バックはやっぱり青空でしょう。あ、でも「虹」なんだよな。まさに今、見事に雨が上がりました!という雲間にのぞく真っ青な空に、整ったレインボーがバーン!と決まる。
これが《虹の女神〜Rainbow Song》の想像上の正しいパッケージですね。
そしてこれは、いつもの自分なら観るのを避けるテの映画だ。
たとえば、上野樹里が主演!とかでなければ。監督が岩井俊二!とかでなければ。
そして私はこの映画を観た。
なぜか。
それは製作 岩井俊二、主演が上野樹里だったからだ!!
なんということだ。パッケージは想像上の正しい《虹の女神》にかなり近いと言っていいデザイン。肝心の中身、つまりその映画自体は、もの凄くいい映画だったわけですね。
ああ…感動したなあ。
いい映画だったなあ。
決めつけって良くないよな。

特典映像の中に「熊澤尚人監督と自主映画を語る」というワークショップの模様が収録されてるんだけど、これがまた面白かった。自主映画手伝ったよなぁ。バカだったなあの頃。ストッキングかぶって踊ったりしてたもんな。体の奥から無駄に湧き出すエネルギーを全部ぶつける感じ?あれは学生時代独特のものだよね。思い出しちゃったよ。
そして「映画館」の良さって映画を観終わって締め切られた場所を出て「日常」に戻ってくるあの感じ。あの「戻ってくる」間にいろんなこと思うんだな、それがきっと映画館の良さだなあと思いました。
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