長谷川光志
The Wrestler
更新日:2018年7月3日

The Wrestler / ザ・レスラー
を観た。日本公開が2009年だから、9年ぶりに観たんだな。最初は大きいスクリーンで観たんだ、声を殺して号泣した。凄い映画なんだ、これは本当に。
「ブルース・スプリングスティーンがミッキー・ロークのために曲を提供した。ノーギャラで」
そんなエピソードを知ったら観るしかないじゃないか。
昔はスター、今は落ち目のプロレスラー。過去の栄光、試合のダメージとステロイドでボロボロの体、突然の心臓発作、引退、襲う孤独。
絶縁状態だった娘を尋ねる場面がある。わが子と向き合い、自分の過去と向き合おうとするそのシーンはとてつもなく希望的で、しかしそのあとには救いようのない絶望が待っている。
二度と見たくないほど悲しいけれど、本当に名シーンだと思う。
ラストも秀逸で、この映画は終わってから始まるんだと思わせる。
コーナー最上段からの“ラム・ジャム”のその先。誰もが思い描くはず。ハッピーエンドなのかそうでないのか。映画が終わってから大事なストーリーが始まる。すごい映画じゃないか。
そして間髪入れずにブルースの「ザ・レスラー」が流れる。この曲がまた最高なんだ。
“中身は砂粒と草だけの案山子を
見たことがあるならそれが俺
風に虚しく殴りかかる片腕の男を
見たことがあるならそれも俺
(中略)
でも血を流してあんたを満足させた
これ以上ほかに何を求めるんだ”
(The Wrestler / Bruce Springsteen)
詩も曲もシンプルなアレンジも
もちろん歌も素晴らしい。
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