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  • 執筆者の写真長谷川光志

好きな人に

好きですと言った瞬間に

わたしの時間ははじまった。


待ち受けているかもしれない絶望を

ぜんぶ含んだわたしの世界がその瞬間に

立ち上がってきたんです。


生きていくことにしたんです。

絶望に絶望して

憧れにあこがれて

明日にじらされながら

破裂するいまこの瞬間の連続

生きていくことに決めたんです。


わたし生まれてきたんです、

好きな人に好きですと言った瞬間に。


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理由

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