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  • 執筆者の写真長谷川光志

ステイホーム記⑦〜「怖い」映画



「悪魔のいけにえ」

初めて目にしたのはたしか新宿のTSUTAYAだったなあ。たまたまモニターで流れてたのがあのラスト、レザーフェイスがチェーンソー持ってぴょんぴょん踊っている(ように見える)シーン。そこだけ鮮烈に脳にこびりついちゃったもんだからこの映画、ちゃんと観るまではオモシロ映画として誤認してた。

あらためて、いやあ最高だわ。最高のカルトホラー。ちゃんとしたホラー映画。きちんと、カルト。怖さで笑える。

レザーフェイスって恐怖と悲哀を両方持ってるんだよね。そしてあのオヤジと兄貴、さらにグランパ。お前生きてたのかよ!っていう。驚くわ。

生きたままフックにぐさ!とかチェーンソーをぎゃんぎゃん言わせて大きな体をゆっさゆっさしながら追ってくる姿が健気に見えて、そのくせ意外にスタミナあって足が速いのが恐怖ちゃんと恐怖につながってて、ホラー的アンセムと言ってもいいようなシーンがそこかしこに。特に最後、捕らえられたサリーが目を覚ましてからは全身で叫びっぱなし。一家は不気味に笑い弄ぶ、サリーは瞳孔開きっぱなし叫びっぱなし。体全体でのシャウトは本当に疲れるんだよ。恐怖から来る叫びだってことがものすごくリアリティがあって、それが延々続いて、だからあのラストなんだっていうカタルシス。もう目から鱗だったよ。

続編まだ観てないから早く観たい。どんなことになってるのか確認したい。グランパ生きてるらしいし。


「散歩する侵略者」は最初、ビデオニュースの5金スペシャルで紹介されたのを見て、それから観たいぞ観たいぞとずっと思ってた映画で。別の流れで黒沢清が気になってきて、映画館ではなかったけれど良いタイミングで観られたかも。

昨日まで親密だった人がなぜか突然態度が変わってしまうって、これだけでかなりの恐怖じゃない。人が違ったようによそよそしくなってしまう。これを自分の身の周りで置き換えて考えたらホント怖い。殺人鬼もモンスターも出てこない、自分の内側が作り出してしまう恐怖。まあ映画では宇宙人がキーワードにはなってくるんだけど、それでも劇中では人間と同じ格好でしか描かれない。ようにうまくできてる。

最後のキーワードは「愛」で、それは映像を通して感じさせるとか滲み出るとかじゃない、それこそ台詞として出てきちゃう概念としての愛。「うわ!なんだこれ!すごい!」っていうあれ、新しい体験?提示のしかた、まさにチャレンジだと思う。

ちなみにこの映画にも前田敦子でてるんだけど、良い仕事してるよね。ちゃんと100点出して、果たしてる。松田龍平の抜け殻演技にも舌を巻く。役者って本当に凄いよ。夏帆主演の「予兆 散歩する侵略者」も観なきゃ。


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シンガーソングライター、長谷川光志って いったい何なのだろう と考えてみる。 考えるほどわからなくなる代表格みたいな思いつきの疑問だけれど、考えてみたくなるときだってあるのだ。 ありもしない答えなら自分で作ればいいし、答えに近づくには比べないことだと思った。ただ自分で自分を「これが自分だ」と言えることってなんだろう、と。 それだけのことが難しい。 いったい僕はこれまでなにを支えにして、なにを指針に

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