長谷川光志
#reason
人の好みなんて信用しない。
人の好みを持ち出したら全部言い訳にできる。
流行りなんて信用しない。
流行りとはバーチャルだ。
流行りとは流行りのこと、それ以上でも以下でもない。何かのきっかけで大衆が好むようになったのが流行だ。好みの源は、みんなが好きそうだから、みんなが知ってるからだ。それがきっかけだ。それ自体は良くも悪くもない、単なる事実だ。
俺は曲を書いて歌をうたう人間だから、自分の書いた曲を好きだと言ってくれる人が増えることが最高に嬉しいことだ。俺の歌が好きだと言ってくれる人が増えたら最高に幸せだ。
たとえばあなたが誰かと結婚する。
そこには何かがある。他のたくさんの男たちとは決定的に違うなにか「理由」がある。後付けだとしてもそこに特別ななにかが無いわけがない。それがただ「勢い」だったとしても。
何かを好むとき、ほとんどの場合人はその理由を考えない。そこにある“不思議”に考えを向けない。好きだから好き、それで終わってしまう。
本当に好きなことには理由を見つけることができる。語ることができる。「なんで自分はコレがこんなにも好きなのか」という深遠すぎる不思議を解明する。そんなことに時間を使うくらいならば好きな音楽を聴いていた方が幸せだ。誰もがそう思う。その誰もが好きだと思っている「好き」はバーチャルだ。なんでこんなに愛さずにいられないのか。そこにたどり着けるだけのポテンシャルが秘められているからこそ、本当に好きだと言い切れる。
俺は曲を書いて歌をうたう人間だから、こんなことを真剣に考えている。だったら流行りを生み出すような曲を作ればいいじゃないか。まったくごもっともなんだ。
歌うたいだから、俺は信じている。飾りを全部取っ払ったときにその歌がもっている一番大事な核心の部分を信じている。それが時に激しく窓を叩いて、時にドアをノックしてあなたの心に本当に通じる瞬間を信じている。それこそバーチャルでなく、この魂があなたの心に触れてなにかが始まる瞬間だ。
俺の歌にはたくさんの飾りがつけてあるし、すこしは見栄えも良くしてある。でもその中心部、曲の魂には自分がたどり着いた「好きな理由」が据え付けてある。微動だにしない、今の答えみたいなもの。
とことん追求すればちゃんと理由があって、勇気がでる。そしてそれを来る日も来る日も疑って、更新していく。
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