長谷川光志
プロレスファン以外お断り〜#3 熱狂の渕正信〜
更新日:2020年6月5日

(男も惚れる渕正信→ https://youtu.be/-NTZqxF_-70 を見たのでつい、というブログです。見ながら読むと臨場感でます)
俺たちのプロレス黄金時代。
92年の全日本プロレス、新春ジャイアントシリーズ。
時代の寵児、超世代軍の旗手は三沢光晴。
そしていぶし銀、ジュニアの「赤鬼」渕正信。
嗚呼懐かしくも甘酸っぱい青春の日々。
ブレーンバスターを着地するなり渕が繰り出す左ヒザへの低空ドロップキック。福沢アナの「ヒザの横蹴り!」という実況が時代を感じさせる。当時はまだ「低空ドロップキック」という呼称が定着していなかったのだ。
のたうちまわり一気に吹き出す三沢の脂汗。すかさずレッグロック、レッグスプレッドを仕掛ける渕の形相!…そう!これぞ渕の渕たる所以、赤鬼たる所以!
リングに生還した三沢を場外に放り投げて、本日2度目となる本部席へのニークラッシャー。そこで発生した大歓声&フッチーコールからすると、おそらくリング上で渕は「オーッ!」とガッツポーズをかましているはずだ。あの燃えたぎる鬼の表情で。カメラはこういうところをきっちり押さえていただきたいものだ。
ヒザ攻めをきっかけに約6分間、攻めダルマと化す渕。ヒザを内側に捻ってのSTFでは、ロープブレイク封じで三沢の目をふさぐ。なりふり構わぬ執念に胸を熱くせずにはいられない。
ストンピングやぐりぐり、ロープへの股間打ちつけなど、名前のつかないような技で試合を作ってしまう絶対的な技術。「三沢のファイトには華がある!渕のファイトには味がある!!」という実況が入るが、この試合においてはそんなフレーズでは渕の凄みを表現し切れていない。
終盤、三沢の反撃開始からはまさに手に汗握る展開。タイガードライバーを堪えての逆さ押え込み、低空ドロップキックをはさんでのバックドロップ、極め付けは美しいフォームでの空中胴締め落とし!←思いとともに全体重を浴びせた、間違いなくこの試合のハイライト。
この日、三沢vs渕にここまでの熱戦を予想した人がどれだけいたか。「渕もそれなりの爪痕残すでしょ」くらいの評価だったはずで、大熱狂を生んだのは渕の「そうはいくか」という意地とプライドそのものだ。技と技の間でとらえる表情が物語る。プロレスラーはリングで人生を表現していると伝える。プロレスではこんな奇跡みたいな試合がたまに起こるのだ。
最後はなんとかフェースロックで振り切った、三沢の表情。会場の盛り上がりを見るにつけプロレスファンがプロレスにかける愛、いい試合を見せてくれたレスラーに惜しみなく心からの喝采を贈るこの姿勢。感動は何度でも蘇る。嗚呼、これが俺たちのプロレス青春時代!
思えば当時、プロレスを見るにはテレビ中継かビデオ(VHS!)買うしかなかったわけで、YouTubeなんてものがある現代って天国そのものだよな。
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