長谷川光志
僕らの明るいオリンピック
非常事態も緊急事態も解除できないがオリンピックは開会できるのか。これはいったい何のためなんだ。誰のためなんだ。
いったいどうやって応援しろっていうんだ。最初から最後までデタラメじゃないか。デタラメのオンパレードのフルコースだ。これじゃ結局、僕らはなにも変わらないじゃないか。
卑劣なウソで開催権をかっぱらったところから始まり、本当に嘘みたいな不祥事や問題が延々とつづいて国民にも嘘をつきまくって、挙げ句の果てには世界中をパンデミックが襲って日本はいま非常事態まっただ中だ。もっと言えば福島はもう10年以上緊急事態だ。緊急事態が解除できないんだ。
本当にやるのか、本当にやる気なのか?と疑っている間にオリンピックのCMが流れ始めて選手たちの映像が流れ始めると、誰だってアスリートに肩入れしちゃう。そりゃそうだ、選手たちに罪はない。その努力に罪はない。でもこの大会は罪だらけだ。罪と、闇だらけじゃないか。
選手は「どんな状況でも選手たちをあたたかく見守ってください」と言うだろう。そりゃそうだ。それは正しい主張だし、そう言うしかないだろう。もし開催されるならば、そこで思い切りプレーしたい、ベストを尽くしたい、記録を更新したい、自分の限界を突破したい、世界にポジティブな話題を発信したいと思うだろう。なんの曇りもない、純粋なスポーツマンシップじゃないか。
そういう誠意を、スポーツマンシップを、いいように利用するのはやめてくれ。その純粋な思いをきちんとすくいあげて、開会したら結局は応援せざるを得ない日本人の優柔不断な優しさに漬け込むのはやめてくれ。ウソをついて利用するのはやめてくれ。もうたくさんだ。こんな大博打より今やるべき大事なことはたくさんあるじゃないか。
世界中がCOVIDでねじれているときに、日本は自らの手でより大きなねじれを生み出して勝手に苦しんでいる感じだ。見たくないけど気になる、応援したいけど自分の中の倫理に反する、声高に開催を喜ぶ人に違和感を感じる、逆に大会の中止を求める人に違和感を感じる…など、無意識に葛藤してる人も少なくないのではないか。こういう精神的なねじれは、健康に良くない。「テレビは健康に良くないんだ」とトム・ペティは言ったけど、本当にその通りなんだ。
というわけで僕は今回の東京オリンピックはなかったものとして、自分の身近なことや興味のあることを勝手にいろいろ開会していこうと思う。楽しいことはいくらでもある。やりたいことはいくらでもある。テレビ放映されない本当の祭典なんて身近にいくらでも起こっている。踊れ!踊らされる前に。
ただ、パラは見ちゃうと思うんだよなー。
見て応援しちゃうとおもうんだよなー。
オリ開催するんだから、パラのほうもマジで盛り上げろよな。ちゃんと扱ってがんがん宣伝して、伝えろよな。ブラインドサッカー超かっこいいし、きっと感動しちゃうな。