長谷川光志
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彼のやることはぜんぶ正解です。
きまぐれでこんなことやってみました、
それも正解です。
(ラッキー!)
君はちがいます。
君は正解をさがさなきゃいけない。
うっかり手を出しちゃいけないよ、
ブザーが鳴ったらしばらくは
ここには上がってこれないから。
ほとぼりがさめるまで
誰かになりきって過ごさなきゃならない。
(不公平。)
ああ、なんて平等な世界!
ここはパーフェクト・ワールド。
不公平なんて言ったらバチが当たります。
公平な世界ゆえ彼は正解で、君は不正解だった。
そうなんです。とるにたらないことほど
平等にできているんです。
そんな、ことばで仕分けできない世界への
ドアが半分開いてますよ、そこに。
窓を拭いてみたらいい、
本当はもう見えてるでしょう。
今まで見ていたのは窓に映った
自分の部屋。