長谷川光志
健康診断はアトラクション

今日は年に一度の健康診断。
甲州街道沿いの大きなビルの地下一階が会場になっている。受付で名前を書いて検尿など用意してきたものを渡し、番号をもらう。そして先に待ち構えている身長・体重測定、血圧測定、視力、聴力検査に血液検査、保険相談、腹囲測定、心電図、聴力検査に胸部と胃部レントゲンを通過していく。
会社勤めの人のほとんどはこんな感じで毎年受けているのだろう。それぞれのブースで足踏みしながらおばちゃんたちが待ち構えている。
これぞプロの業という感じで感動的にスムーズに進んでいく。おばちゃんたち「はい次は②番の前で待ってて」「はい出たら右手ね」とすべての無駄が省かれた進行で、先に書いた関門をすべてクリアするのにかかった時間は30分強だ。
最近は献血にも行ってなかったので、採血のとき勢いよく吹き出すマイ・ブラッドを愛おしく眺めた。その色と勢いを。生きている証だ。
最後の難所が胃部レントゲンで、バリウムを飲んで大きく硬いベッドに寝る。いや最初はそれが地面に垂直に立っていて、背中をつけて立つとベッド自体がぐいーんと寝そべって通常ベッド状態になる。その全身を包む巨大なベッド型の台座が自由自在天地左右にぐるぐると回ってまるで無重力体験マシンのよう。サイドには体を支えるためのグリップがあり、しっかり握る。頭が下になったりまた上になったり。「バリウムが胃全体に行き渡るように右方向に三回転してくださーい」と言われ自分もぐるぐる回る。「そうでーすそんな感じです」とガラスの向こうのお兄さんがマシンを操縦しまたぐいんぐいん回る。これもあっという間に終わった。なんだか楽しいアトラクションに来たような感じだ。
30分体験型アトラクション。
あとはこの体が健康体と証明されることを祈るのみ。
ということで、近くのルノアールで熱いトアルコ トラジャを飲んでいる。「三谷幸喜のありふれた生活」の残りを読むのだ。もうちょっとで終わってしまう。読み終わったらまた、やらねばならぬことに戻っていくのだ。

トアルコ トラジャ
赤道直下インドネシア・スラウェシ島のみで収穫されるアラビカ種の傑作。昼夜の寒暖差が大きい標高1,000〜1,800mの高知のみで栽培されるため、実が引き締まり、香り高く味わい深いコーヒーとなる。
…だそうです。香ばしく妖しく上品でとても美味しいです。