長谷川光志
喫茶小公子



喫茶店が好きだ。美味しいコーヒーを飲みながら一服したり
好きな音楽を聴いたり本を読んだりするのは至福の時。
もちろん歌詞を書いたり、スケジュールに頭を悩ませたりもするし
空っぽになって、ただひたすら弛緩した時を過ごすことも。
居心地のよい空間で時間を気にして過ごすのはもったいない。
喫茶店に入るのは、そのあとに予定がなーんも入ってないフリーな時がベスト。
許されるならば、読みたかった本とお気に入りのプレイリストを入れたPAD、
書きかけの歌詞ノートとMacbookを持って日がな一日
ぐったりするまで好きなことをやりたい。
小田急線、伊勢原駅(お隣の駅)の北口を降りて通りをはさんだすぐ向かいに「喫茶 小公子」という、なんともぐっとくる佇まいの喫茶店があった。一見してナイス純喫茶とわかる素朴な店構え。
ド○ールとか○リーズみたいな、どこに行っても出くわすチェーン店の安心感もそれはそれでわかるけれど、「ここだけなんです」という潔い個人店(家族店?)が僕は断然好きだ。
BGMは無音か、店主の気まぐれでたまにうっすら聞こえる程度。
余計なエクストラ・メニューみたいなものはなくシンプル。
常連がうるさくない。
地元の人に愛されている。
お会計のときとか、たまーにマスターの(先代と思しき)お母さん出てくる。
ここ「小公子」は僕好みで、とても誠実なお店でした。
今では珍しい(おそらく全席)喫煙可。
注文したのはウィンナーコーヒー 550円。
椎名誠の「かぐや姫はいやな女」を読み終えて
メンタルヘルス・マネジメントⅢ種の勉強をして
しまいには詩を書いて、ゆっくり過ごしてしまいました。
一番ささやかな夢を達成してしまったような、幸せなひとときでした。